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応援しなかった地元2市町の道路予算をカット発言 それ税金ですよとツッコみたくなった簗和生農林水産大臣辞任

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簗和生農相辞任

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グチュペリポート




「那須烏山市と那珂川町の本年度の道路予算は、大幅にカットした」

自分の住む町が名指しで、こう言われたとしたら。ちょっとゾッとしませんか?

10月14日、この発言で批判を浴びていた簗和生(やな・かずお)農林水産相が、高市早苗首相に辞表を出した。内閣改造から1カ月足らず。高市政権で不祥事によって閣僚が辞めるのは、これが初めてになる。

わたしはどこの政党の応援団でもない。だからこそ「誰が悪いか」の前に、何が起きたのかを落ち着いて並べてみたいと思う。

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報道から辞表提出までに何があったのか

発端は今年5月。簗氏は地元の栃木県大田原市で開かれた自民党支部の非公開の会合で、冒頭の発言をしたとされる。

週刊誌の報道によると、理由は2月の衆院選。その2市町の首長が、自分を応援しなかったからだという。

文春オンラインは、簗氏が「首長が自民党の国会議員は要らないという行動を取った」と説明したと伝えている。

9月30日、木原稔官房長官は会見で「調査中」と答えた。

10月2日、簗氏は会見を開き、発言をおおむね認める。

そのうえで「国土交通省に問い合わせ、箇所付けの結果の報告を受けた。その内容を自民党支部の会合で報告した。

誤解を招くものだった」と釈明した。箇所付けというのは、国の予算をどの事業にいくら配るかを決めることです。

5日には発言を撤回して謝罪。それでも辞任はしないと言った。

流れが変わったのは、その後の続報。2月の衆院選で、支持者をシャトルバスで無料送迎していた疑いが出てきた。公職選挙法が禁じる買収にあたるのではという話。

13日の衆院予算委員会で、簗氏は「法令にのっとり適切に対処している」と答えた。

ところが14日になって、秘書が選挙管理委員会に問い合わせた中身は収支報告書の書き方についてだった、と答弁を事実上修正する。

参院の野党は同じ日、問責決議案を出す方針を決めた。

辞表を出したのは、その日の夕方のこと。

「国会審議にこれ以上、迷惑を掛けるわけにはいかない」。官邸で記者団にそう語っている。

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国交省は「影響なし」 それでも辞任した理由

ここはフェアに押さえておきたい。

国交省は10月6日に調査結果を公表した。簗氏から問い合わせはあったものの、予算への影響はなかったという内容だ。

予算の配分は「地域の要望や事業の進捗状況などに基づいて決まる」と説明している。

つまり「大臣の圧力で予算が削られた」とまでは確認されていない。報道の熱気だけを浴びていると、この点がスポッと抜け落ちがちなんだよね。

じゃあ、なぜ辞めることになったのか。理由は2つあると、わたしは感じている。

1つ目は、発言そのものの重さ。本当に削ったかどうか以前に、「応援しなければ予算が減る」と思わせるだけで、首長や住民は萎縮してしまう。

那須烏山市議会が抗議決議を可決したのも、無理はない気がする。

2つ目は、説明がぶれたこと。「誤解を招いた」から「撤回」へ、さらに国会答弁の修正へ。説明が変わるたびに、信頼がすり減っていった。

批判は野党だけからではなかった。9日の自民党の農政関連の会合では、鈴木宗男参院議員が「まず冒頭に『お騒がせしています』というあいさつがあってしかるべきだ」とピシャリ。

身内からこの言葉が出た時点で、かなり厳しかったんじゃないかな。

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道路予算は誰のお金かという素朴な話

生活者として一番引っかかったことを書いておきたい。

道路予算って、もとはわたしたちの税金ですよね。

物価高で、スーパーのレジに並ぶたびにため息。給料から引かれる税金や社会保険料を見て、またため息。

そうやって中間層が払ったお金の使い道が、選挙の「ごほうび」や「おしおき」に見えてしまったら……。いや、それはさすがに笑えない。

地方の道路は、通勤や通学に使われ、救急車も走る生活の道だ。読売新聞は、名指しされた2市町の予算不足と道路整備の状況を報じている。

政治が止まることのリスクもある。参院は与党が少数で、問責決議案が通れば審議が事実上止まるおそれがあった。国会が止まれば、物価対策の議論だって後回しになりかねない。

農相の交代は、過去にもあった。2007年には、4カ月で3人も交代している。農相がコロコロ変わって困るのは、現場の農家さんと毎日の食卓を預かるわたしたちです。

食料安全保障は、国を守る土台のひとつ。その担当大臣が国会で足止めされ続けるのは、国益の面でも痛い。そう考えると、辞任のタイミングはギリギリだったと思う。

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高市首相の「読み違え」は高い授業料になるか

高市首相は8日の代表質問で、発言を「不適切だと考え、厳しく注意をした」と述べ、続投させる考えを示した。「任命責任は私にある」とも語っている。

結果を見れば、判断は後手に回ったかたちだ。

簗氏は旧安倍派で、派閥の裏金問題では1746万円の不記載があった。

党から役職停止6カ月の処分も受けている。それを承知で起用したなら、もう少しアンテナを高くしておいてもよかったんじゃないかな。

ただ、政権発足後で初めての閣僚の不祥事でもある。すぐに切り捨てず、まず本人の説明を待った判断を一概に甘いとは言い切れない気もする。

13日には「違法性があれば」と更迭に触れる姿勢も見せていた。

野党にもひとこと言いたい。辞任を勝ち取って一件落着で本当にいいのかな。予算の問い合わせが何だったのか、バス送迎は法的にどうだったのか。

そこを詰めるのが本来の仕事のはずです。

うやむやにしてほしくないんですよ、税金の使い道の話だけは。

次に「応援しなかった町は……」という声が聞こえてきた時、わたしたちはちゃんと「それ、おかしくない?」と言えるだろうか。

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