待望の初勝利です。SMBC日本シリーズ2024は10月29日、舞台をみずほペイペイドームに移して第3戦が行われました。DeNAがソフトバンクを4-1で下し、対戦成績を1勝2敗に戻しました。ソフトバンクが誇る2018年第3戦からの14連勝記録も、ここで途切れることになりました。
まさに運命の一戦となった今試合。左脚の負傷から奇跡の復活を遂げた東が、渾身の投球を見せました。7回を10安打1失点に抑える粘りの投球。その姿は、チームメイトへの深い感謝と必死の思いが込められていました。
「足がちぎれてもいいくらいの覚悟でマウンドに上がりました」。東の言葉には重みがありました。まだ完全な回復ではありませんでしたが、投げられる喜びと仲間への思いが、彼を突き動かしていたのです。
打線も応えました。1-1で迎えた5回、桑原が放った劇的な勝ち越しソロホームラン。続く筒香の犠牲フライで加点し、8回には戸柱の二塁打で貴重な追加点を挙げました。
チームの精神的支柱となった桑原は、このシリーズで打率.357と絶好調です。「打率は関係ありません。自分の役割を果たして、勝つだけです」。その言葉通り、全身全霊のプレーで日本一への道を切り開いています。
小久保監督、敗因を語る
一方、小久保監督率いるソフトバンクは、継投策が裏目に出ました。5回から登板した大津が桑原に勝ち越しホームランを浴び、さらにノーアウト満塁から筒香にライト犠牲フライを献上。わずか1アウトで降板を余儀なくされました。
「先頭打者が1度も出塁できなかったことが響きました」と小久保監督。本拠地での胴上げを目指すには、残る2試合を連勝するしかありません。
DeNAにとって、これは単なる1勝ではありません。チーム一丸となった執念の勝利が、悲願の日本一への扉を開く第一歩となるかもしれません。ここからが、真の勝負の始まりです。