ドジャースVSヤンキースのお陰でまったく盛り上がらない日本シリーズ
横浜スタジアムに詰めかけた3万3147人の大観衆が見守る中、SMBC日本シリーズ2024の開幕戦は、金でブイブイ言わせるソフトバンクが堂々たる勝利を収めました。
有原が見せた7回無失点の完璧投球は、まさに今季14勝を挙げた精彩そのもの。切れ味抜群のストレートと決め球のフォークで、DeNA打線を完璧に抑え込みました。甲斐とのバッテリーワークも絶妙で、さすがエースの風格を漂わせています。
驚きの場面は2回、2アウト満塁。有原自身が放った右前への先制タイムリーでした。この一打で試合の流れは大きく動きました。
ただし、この場面での戸柱の配球は、もう少し工夫の余地があったかもしれません。投手とはいえ、日本シリーズを前に打撃練習を積んでいる相手に対して、変化球や内角攻めを織り交ぜた方が良かったでしょう。
序盤でリードを奪ったソフトバンクは、その後も着実に加点。9回には堀岡から3点を追加し、優位に試合を進めました。
しかし、DeNAの底力はここから。最終回、守護神オスナを相手に意地の反撃を見せます。オースティンの左越え二塁打を皮切りに、梶原、森敬が適時打を放ち、さらに代打・筒香も安打で続きます。
桑原の内野ゴロの際には、オスナの送球が逸れ、貴重な1点を追加。諦めない姿勢は、きょうの横浜スタジアムを最も熱く沸かせました。
三浦監督は「最後の攻撃は、あすへつながる手応えを感じました」と手応えを口にします。CSファイナルで決勝打を放った牧も「最後の打席で一番いい当たりが出せた。この感触を次戦に活かします」と、前を向いています。
モイネロとのダブルエース体制を確立したソフトバンク。第1戦を制したことで、精神的にも優位に立ちました。一方のDeNAは、最終回の意地の攻撃を糧に、必ずや巻き返しを図るはずです。熱き戦いは、まだ始まったばかりなのです。
DeNAバッテリー有原への不用意な1球
有原は2回二死満塁から右前へ先制の2点タイムリー。もちろん先制打を放った有原の打撃は見事だったが、これはDeNAの捕手・戸柱の配球ミスだと思う。
パ・リーグの投手はシーズン中、打席に入ることがないとはいえ、日本シリーズ前には打撃練習もこなしている。
投手といえどもバットを持っているわけだから変化球や内角への速い球をまぜながら慎重にリードすべきだった。
ところがこの打席はすべてストレートで勝負。1―1からタイムリーを許した3球目は打者にとって最も打ちやすい外の真っすぐ。先制点を絶対に与えてはいけない場面で不用意な1球だった。