2024年9月18日、神宮球場で行われたヤクルトスワローズ戦。カープは5-4で惜しくも敗れ、連敗を喫しました。しかし、秋山翔吾選手の奮闘が光る一戦となりました。
九里投手、雨中の苦闘
カープの先発・九里亜蓮投手は、5回1/3を投げ7安打4失点で降板しました。8勝目を目指した九里投手でしたが、雨中での登板となり、3点のリードを守り切ることができませんでした。
序盤は無失点で順調な立ち上がりを見せ、味方打線も3点の先行に成功。しかし、4回に暗雲が立ち込めます。先頭のサンタナ選手に四球を与えた後、村上選手に2ボールからの直球を右翼席へ運ばれ、2ランホームランを浴びてしまいました。まるで雷鳴のような打球音とともに、カープのリードは一気に1点差まで縮まります。
その後も、オスナ選手にフェンス直撃の長打を許しますが、二塁手・菊池涼介選手の華麗なる神業キャッチで何とかピンチを脱します。菊池選手のグラブから放たれた白い閃光が、カープファンの心に希望の火を灯しました。
しかし、5回も九里投手の苦闘は続きます。今季限りでの現役引退を発表している青木宣親選手に中前打を許すと、2死二塁からサンタナ選手に鋭い右前への同点適時打を浴びてしまいます。まるで雨脚が強まるように、カープのリードも消え去ってしまいました。
雷鳴による試合中断を挟んで迎えた6回、1死から山田選手と中村選手に連打を許し、二、三塁のピンチで九里投手は降板。肩を落とし、悔しさをにじませながらベンチへと戻る姿に、カープファンの胸も痛みました。
秋山選手、猛打賞の活躍
打線の中で光り輝いたのは、秋山翔吾選手の姿でした。3回2死二塁から、ヤクルトの先発ヤフーレ投手のチェンジアップを見逃さず、センター前へ先制適時打を放ちます。まるで雨雲を切り裂くような鋭い打球が、カープに先制点をもたらしました。
7回には3-5と追う展開で、2死から田口投手から左前打を放ち、小園選手の適時打を呼び込む起点となります。秋山選手の粘り強い打撃が、チームに再起のチャンスをもたらしたのです。
この日、秋山選手は3安打3打数の猛打賞を記録。打率も.290まで上昇し、チームの主軸として存在感を示しました。特筆すべきは、3回と9回の安打がいずれもフルカウントからの粘りの一打だったことです。
試合後、秋山選手は次のようにコメントしています。「打席に立っている以上は最後まで姿勢を見せないといけない。明日そういうところが勝つ方につながればいいなと思います」
データで見る秋山選手の活躍
秋山選手の今季の成績を見てみましょう。
打率: .290(リーグ6位)
出塁率: .358(リーグ10位)
安打数: 140本(リーグ4位)
猛打賞: 10回(チーム最多)
これらの数字が示すように、秋山選手はチームの中心打者として、安定した活躍を見せています。特に、フルカウントでの粘り強い打撃は、チームの得点機会を増やす重要な要素となっています。
残り14試合、カープはBクラス転落の危機に直面しています。しかし、秋山選手のような経験豊富な選手を中心に、チーム一丸となって這い上がる姿勢が求められます。