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佐々木泰のマツダスタジアム初ホームランと栗林の三者三振ショー 負けなかったのが成長の証

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佐々木泰マツダスタジアム初ホームラン

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カープブログ

まだ公式戦も始まっていないのに胸がいっぱいになるのはどういうわけだろう。

3月22日、日曜日の午後2時。マツダスタジアムに22,820人が詰めかけたオープン戦最終日。
カープはソフトバンクと5-5で引き分けた。去年までなら確実に負けていた。
たかがオープン戦の勝敗度外視の1試合。
5日後に開幕を控えたチームの輪郭がくっきりと浮かんでいた。

オープン戦の成績は6勝11敗1分け。数字だけを見れば胸を張れるものではない。
順位表の下のほうに沈んだまま春を終えるのは、正直に言って気持ちのいいものではなかった。

だが、きょうの試合を見て思う。数字に映らない何かがたしかにこのチームの中に芽吹いている。
3月27日金曜日マツダスタジアムで中日を迎え撃つ開幕戦に向けてカープは静かに牙を研いでいた。

相手は昨季日本一のソフトバンク。柳田、近藤、山川という強打の並びに加え、今宮や周東の脚力と嗅覚がある。

オープン戦とはいえ気の抜ける相手ではない。先発マウンドには今季からの先発転向を決意した栗林が上がる。
プロ通算271登板すべて救援、134セーブを積み上げてきた男の新しい挑戦。
期待と不安がない交ぜになったまま、プレイボールの瞬間を迎えた。

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栗林が刻んだ三振と失点の明暗 若鯉が奏でる逆襲の序曲

初回のマウンド、栗林の右腕にはいつもとは違うリズムが宿っていた。
先頭の柳町をストレートで見逃し三振。続く近藤をセンターフライ、牧原大をセカンドゴロ。
スッと息を吐きたくなるような三者凡退で先発転向の立ち上がりを切り抜けてみせた。

その裏カープ打線がすぐさま応えた。1アウトから中村奨成が四球を選び小園は凡退したものの打席には2年目の4番・佐々木が入る。
カウント2-2から振り抜いた打球がレフトスタンドへ一直線に吸い込まれていく。

ガツンという快音がマツダに響いた時に2万人を超えるスタンドが一斉に揺れた。マツダスタジアム初ホームランの先制2ラン。
新井監督から「4番ではなく4番目。背負う必要もない」と言われた2年目のスラッガーが言葉通りに自然体で放物線を描いた。

でも、野球はそう簡単には終わらない。2回、栗林は柳田に右翼線への2塁打を浴びると今宮の内野安打で1アウト1、3塁のピンチを招く。
周東の犠牲フライ、栗原のタイムリー、谷川原の適時2塁打と畳みかけられ、あっという間に2-3と逆転された。
先発の怖さがじわじわと栗林の体を包んだ瞬間だったかもしれない。

ところが直後の3回栗林がスイッチを入れ直す。近藤、牧原大、柳田という並びを三者連続空振り三振。
38球で3回を投げ終えマウンドを降りた背中には悔しさと手応えが同居していたはずだ。

「結果はよくなかったけど、三振を奪えたり良い部分もあった。二回に連打を浴びましたけどあれをなくせば勝てる確率が高くなる」。
栗林の言葉には、開幕3戦目の29日・中日戦を見据えた冷静さがにじんでいた。

打線は栗林を見殺しにしなかった。3回平川のヒットと中村奨成の四球で2アウト1、2塁。
ここで再び佐々木が右前にタイムリーを運び、3-3の同点に追いつく。
さらに4回には坂倉と勝田の連打で好機を広げ1番・平川がセンター前にきっちり弾き返して4-3。
1年目ドラフト1位のバットが、オープン戦12球団最多安打の称号にふさわしい一打で勝ち越し点を叩き出した。

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9回2アウトからの執念 秋山の一打と笹川の後逸が灯した開幕への火

中盤以降カープの2番手・赤木が圧巻だった。ドラフト5位ルーキーが最速150キロの直球を軸に2回を1安打無失点4奪三振。
山川を空振り三振に仕留めたストレートには、開幕1軍への気迫がこもっていた。
続くハーン、アリアと4イニング連続で走者を許さず、4-3のリードは盤石に見えた。

しかし8回5番手・益田が捕まる。先頭の谷川原にヒットと盗塁を許し笹川にセンター前へ同点タイムリーを運ばれた。
さらに四球で走者を溜めたあと川瀬にライト前へ弾き返され4-5。勝ち越しを許す。
リードは一瞬で消え去りビハインドの重さがスタンドに染み渡っていく。

カープの反撃は沈黙した。5回以降ソフトバンクの救援陣に封じ込められ、7回には中村奨成、小園、佐々木の上位打線が三者凡退。
8回も大盛、菊池、二俣が打ち取られスコアボードの0がじりじりと並んでいく。
オープン戦最終日、このまま敗れて春を終えるのか。やれやれという空気がどこかに漂い始めていた。

9回表、常廣が栗原にヒット、柳町に四球で1アウト1、2塁のピンチを招いたものの、笹川と野村を連続三振に仕留めて踏ん張った。

さあ最終回の攻撃、相手はドラフト2位ルーキーの稲川。勝田はセカンドゴロ、代打・モンテロもセンターフライ。
2アウト走者なし。ほとんどの人が、この試合の結末を受け入れかけていたと思う。

そこから物語が動いた。平川がセカンドゴロを打つも、野村が一塁へ悪送球。
2アウト1塁。代走の久保が一塁にいる。打席には代打・秋山。36歳のベテランがカウント2-1から放った打球はライト前へ転がっていく。
ここでライトの笹川がボールを後逸した。一塁走者が一気にホームへ駆け込み、5-5。マツダスタジアムがどよめきと歓声に包まれた。

オープン戦の引き分け。それ自体に大きな意味があるわけではない。そっと息を吐いてスコアボードに並んだ数字を眺める。
昨年のままだと確実に負けていた。相手のエラーによる得点だけど負けなかった。

1回の佐々木の2ラン、3回の栗林の三者連続三振、4回の平川の勝ち越しタイムリー、そして9回の執念の同点劇。
この試合には2026年カープの縮図が詰まっていた。

佐々木は4打数3安打3打点の猛打賞で4番の座を確かなものにした。
「監督から『4番目という感覚でいけばホームランもついてくる』と言ってもらった。4番目という気持ちで打席に入りたい」。
2年目で開幕4番は球団史上最速の記録だという。前田智徳、鈴木誠也、衣笠祥雄といった名前の系譜に23歳の青年が連なろうとしている。

1番・平川はきょうも2安打1打点。オープン戦6度目のマルチ安打で、12球団最多となる21安打をマークした。
大卒新人の開幕スタメンは山本浩二以来57年ぶりと聞けば、その凄みが伝わるだろう。

栗林は3回3失点という数字の中にも三者連続三振という確かな手応えを抱えて開幕のマウンドへ向かう。
「自分の持っている力を全部出したい」。その言葉を信じたい。

赤木の4奪三振に、アリアの力強い三者凡退に、常廣のピンチでの連続三振に。

若い腕たちがオープン戦最後の日に見せたものは開幕ロースター入りへの渇望でありこのチームの底上げそのものだった。

5日後、同じマツダスタジアムで床田がマウンドに上がり2026年のペナントレースが始まる。
オープン戦6勝11敗1分け。その数字の奥に逆転されても追いつく粘りと若い力の躍動がある。
カープの春はまだこれからだ。

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試合スタッツまとめ
・日時:2026年3月22日(日)14:00 マツダスタジアム
・対戦相手:福岡ソフトバンクホークス(オープン戦)
・最終スコア:カープ 5 – 5 ソフトバンク(引き分け)
・先発投手(カープ):栗林良吏 3回 38球 4安打 3失点(自責3)4奪三振 無四死球
・先発投手(相手):スチュワート・ジュニア
・本塁打:佐々木泰 1号2ラン(1回)
・勝利投手・敗戦投手・セーブ:なし(引き分け)
・ヒーロー:佐々木泰(4打数3安打3打点・1本塁打)
・順位(オープン戦最終):10位(6勝11敗1分)

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